報 告 |
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第4回大分緩和ケアの夕べ
場 所 : アステム本社4F 大会議室
参加人数 : 202名
医師 17名、看護師 154名、薬剤師 8名、その他 23名
第4回の大分緩和ケアの夕べも200名以上の医療者が集まり、活発な討議が行われた。参加者は大分市から約2/3であるが、中津市や佐伯市、豊後高田市などの遠方から、また、福岡県からも4名の参加があった
【 講演内容 】
“死が近づいた患者さんと家族ケア”
(小冊子「これからのこと」について)
演者: 後藤隆子氏(大分ゆふみ病院 看護師長)
最初に
後藤師長は、最初に大分ゆふみ病院で行われた遺族の会“思い出を語る会”のスライドを使い、命の繋がりあることや、この遺族のグリーフケアの面からも、亡くなる1週間前からの患者と家族のケアの重要性を強調した。
小冊子“これからのこと”は、患者の状態が悪化し、あと1週間ぐらいの時に、家族に渡す冊子であり、これから起こる現象を詳しく、具体的に書いており、家族の予期悲嘆の助けとなり、チームスタッフの共通の理解にも結びつくことを延べた。
T)冊子作成の意図
@ 予期悲嘆の表出のサポート
A 家族のニードに沿うこと
U)記載内容
@ 症状の説明
A 行われているケアの意味
B 家族の出来ることの提示
V)小冊子の内容
a)前文
〜付き添われるみなさまへ〜
これから“愛する人とのお別れを迎える”ということに対して、今後どのように向き合っていけばよいのか、またどのように接していけばよいのかと緊張や不安で戸惑われることも多いと思います。体が死の準備を始めたとき、患者様は、日により、時間により症状に変化がみられてきます。このパンフレットは、いくつかの症状について、またどのように接したら良いかなど記しました。すべての患者様にみられるわけではありませんが、少しでも皆様の助けになればと思い用意させていただきました.
b)記載内容(10項目につき詳細に解説した)
@ 食欲が低下したり、水分を受けつけなくなったりします。
A 人と接することがおっくうになります。
B 反応が少なく、眠っている時間が長くなります
C 尿量が少なくなったり、体にむくみが出てくることがあります
D 微熱が続いたり、時に高熱が出ることがあります
E どうしようもないようなだるさが増すことがあります。
F 夢と現実が入り混じり、話がかみ合わなくなることがあります
G 呼吸の仕方が徐々に変わってきます。
H のどもとから、ゴロゴロというような音が聞こえることがあります
I 手や足が冷たくなることがあります
c)最後に
愛する人とのお別れを迎える”こと、それはとても辛いことです。
睡眠はとれてますか・・・?
食事は摂れてますか・・・?
時には気分転換してますか・・・?
辛く悲しい思いを誰かに話せてますか・・・?
泣きたい時に思いきり涙を流せてますか・・・?
私達もそばにいます。
一人でがんばりすぎず、どうぞいつでもスタッフに声を掛けてください
W)冊子の効果
@ 家族間の理解の一致
A 予期悲嘆の表出のきっかけ
B 家族が患者のためにできることが見つかり、役に立てていると実感できる
C 看護スタッフには家族のサポートをする用意があることが伝わる。
講演を終えて、小冊子は有効であること、スタッフと家族の想いが一致しやすくなること。この小冊子を渡す(看護師)と家族がこれを読み、今起こっている現象がわかり、予期悲嘆に通じることを強調した。また、これを渡す時期は、患者の状態が悪くなり、あと1週間前後であり、医師が家族に説明した後が多いが、看護師が先に渡すこともある。
また、患者の手を顔や唇を最後の時まで、綺麗で清潔にすることの重要性:家族は最後まで患者の手を握り、最後の時には頬づりや、キスをすることがあり、そのときには綺麗な手や顔であってほしい。そのためには看護師は、最後まできめ細かく、清潔にしてほしいことを強調され講演されていたことは、感動的であった。
=質疑応答=
1)理学療法士から:終末期のリハビリを頼まれることがあるが、どこまでして良いのか教えてほしい
(後藤師長応答):患者さんの状態が異なるために、一概には言えないが、終末期のリハビリは患者の生きる意欲を高め、効果的です。ぜひ、積極的にしてほしい。
2)看護師から:患者さんが家族の希望で病名を告知されていないことがあるが、この場合に状態が悪くなったときには、どうように対処や、話をすれば良いのか
(後藤師長応答):告知が無いときは、対応が難しいが、患者さんは、自分のことは体で分かっており、それに従ってケアを行う。
(山岡医師):告知は大切なことであり、本人の知る権利を大切にして、本人が知りたいかを聞く必要があると思います。知りたいのであれば、主治医の先生に看護師からの、告知を言うことも大切と思います。
3)分裂症の患者さんはどのように対処してますか
(後藤師長):当院でも1名だけですが、家族への対処が大切です
(文責:山岡憲夫)
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