報 告

 第19回大分緩和ケアの夕べ

日   時  : 平成20年5月21日(水)
場   所  : アステム 4階 大会議室
参加人数 : 167名 
         医師20名、看護師100名、薬剤師30名、その他17名 
                 


 【 講演内容 】

『 がん患者さんに発生する身体的痛みの診断と治療 』

演者: 冨安 志郎 氏(長崎市立市民病院:麻酔科、緩和ケアチームリーダー)


 【 講演要旨 】

 痛みの種類には大きく分けると2つあります。怪我や骨折、おなかをこわした時の腹痛などは侵害受容性の痛みです。これに対し痛みや触った感じなどを伝える神経が切れたり、変性して発生する痛みを神経障害性の痛みと呼びます。帯状疱疹後の神経痛などがその例です。医療用麻薬などの鎮痛薬が効きにくい場合があります。がん患者さんの身体的痛みは、がんの増殖、病気の進行、がんの治療、がんと無関係の既存のものなどが原因で発生し、多くの場合侵害受容性の痛みと神経障害性の痛みが混在しています。痛み治療薬剤はWHO方式3段階除痛ラダーに従ってNSAIDs、医療用麻薬を痛みの取れる十分量投与するのが原則です。その上で神経障害性の痛みが鎮痛薬で十分緩和されない場合に鎮痛補助薬と呼ばれる薬剤の投与を考慮します。痛みの種類に関わらずがんの痛み治療の基本は3段階除痛ラダーです。