報 告

 第11回大分緩和ケアの夕べ

日   時  : 平成19年7月18日(水)
場   所  : アステム 4階 大会議室
参加人数 : 202名 
         医師 8名、看護師 180名、薬剤師 5名、その他 9名 


 今回はエンジェルメイクをテーマとして講演のため、200名を越す多くの医療者、特に看護師さんが駆けつけてきた。会場は熱気で溢れていた。また、講師の川口氏の弾けるような熱い講演であった。スライドは多くの写真を用い、メイク前後の顔の変わりように、メイクの大切さが分かった。実践に即した講義であり、講義後活発な質疑応答があった(文責:山岡憲夫)。


 【 講演内容 】


『グリーフケアとしての“湯灌/エンゼルメイク”の意味及び必要性』

演者: 川口 多津子氏(おふぃすゆとり代表/九州エンゼルメイク研究会:講師)



 【 講演要旨 】

10数年に約4000人の湯灌、着付け、メイク、納棺に直接携わり、その湯灌の意義や意味につきまず、講演を行った。
 
死後の処置を行う方法は4つあること。
@ 家族が行う
A 病院:特に看護師が行う
B 湯灌の専門が行う
C 葬儀社が行う
間違った知識を持った葬儀社が多い事も講演した。

次に、スライドで湯灌(メイクなど)を行う前の患者さんの顔と、湯灌後の顔を比較し、
目が開いた患者さんや、あごが垂れ下がった人、痩せ扱けた人などでも、湯灌をすることで、かなり健康な頃の顔に近づく事を、実際の写真で講義した。


  =質疑応答=
1) (看護師):質問が2つあります。死後、あごを閉じる事が難しいのですが教えてください
応答:あごを閉じる事は大切ですし、難しく、これを覚えるには時間を要します。まず、あごの下に2本のタオルを丸めたものを置きます。1本は細めで、あごの真下に、1本はその下におき安定させます。これでもだめなときは、さらに厚手の包帯でギブスのようにタオルとあごと、首の後方を巻きます。包帯は頭に回してはだめです

2) (看護師):もうひとつですが、顔の化粧が濃い過ぎたときはどうしたら良いのですか。もう一度化粧を落とすのですか?化粧崩れしにくい化粧品の選び方と、濃い化粧になってしまうことがあるが、落とすのも難しいので、良い方法があれば、教えてほしい。
 
応答:化粧はそのノリが必要で、大事な事は、まず、ひげを完全にそる事で、顔もそります、マッサージをします。顔の汚れを落とす事はとても大切で、その後に下地を塗って、さらにその上にクリームファンデーションをします。
さらにお化粧しますが、同じ化粧品を使って下さい。化粧品メーカーは関係ありません。化粧を長時間もたせてい場合は、まず、クレジング、顔そりが大切です。
 その後に下地をつけて、クリームファンデーションをうすく付けます。その上にパウダーファンデーションを粉にしてブラシでつけ、きれいなパフで押さえると良い。厚塗りになると崩れ易い。
 
3) (看護師):死後、手を合掌する事についてですが、大分では葬儀屋が、手を合唱させますが、これで良いのでしょうか。
応答:葬儀屋がそのようにしてはいけません。北九州ではありえません。合掌をする必要はありません。

4) (看護師):顔を剃るとき、傷つけてしまったら、どうしますか
応答:顔剃りは、I字型を使い、面の対して30-35度ぐらいでします。かみそりは使い捨てにする。
   (文責:山岡憲夫、質問の応答の詳細は小野富美子さん;大分ゆふみ病院看護師にしていただいた)